会社間で商品を販売する際には、一般的に代金をあとから請求する掛取引を行います。
掛取引をしたときに、あとで受け取るお金のことを「売掛金」といいます。
ちなみに、売掛金とは逆にあとで支払うお金のことを「買掛金」といいます。
この記事では、売掛金管理のながれについて説明します。

売掛金はツケ払いと構造が似ているね。

常連店でツケ払いをした場合、後でツケをまとめて請求するお店側は売掛金、後で支払するお客さん側は買掛金ということになるね。
売掛金管理のながれ
取引先に対して商品を販売した際には、納品書とともに請求書も発行します。
請求書を発行するタイミングは、商品を販売したつど発行する「都度請求」と、1ヶ月分をまとめて請求する「合計請求」があります。請求方法は取引先毎に異なるので、請求書を発行する際には必ず確認するようにしましょう。
①売掛金の発生・回収があったら振替伝票を起票または仕訳帳に記帳する。

仕訳のパターンを紹介するよ!
【取引先に商品を3,000円で販売した。代金は掛け(あとで回収)とした。】
借方 | 貸方 |
売掛金 3,000 | 売上 3,000 |
※売掛金=資産が増えるので借方に、売上=収益が増えたので貸方に記帳
【翌日、商品の代金3,000円が普通預金に振り込まれた】
借方 | 貸方 |
普通預金 3,000 | 売掛金 3,000 |
※普通預金=資産が増えたので借方に、売掛金=資産が減ったので貸方に記帳
②売掛金元帳に転記する

売掛金元帳の作成例を紹介するよ!

掛取引をした売上金額から回収金額を差し引いて、その取引先にいくら未回収の売掛金が残っているかわかるようになっています。

売掛金回収予定表の作成例を紹介するよ!

上記のような表で管理することで、支払いが滞っている取引先がすぐ分かるようになります。
入金遅れがあったら、まずは請求書を出しているかどうかを確認します。
請求書がしっかり出されていたら、取引先に連絡して支払いを促します。
そのままにしておくと入金遅れの長期化につながる恐れがあるので、少しでも早いタイミングで対応することが大切です。
期中現金主義(期末発生主義)の会計処理
売掛金の記帳は、売掛金が発生したときと、代金を回収したときの2度に渡って行うのが基本です。
しかし、期中の掛取引については、売掛金の回収時だけ計上する場合もあります。
期末月は売掛金が発生したときにしっかりと記帳します。
年をまたぐ売掛金が、発生時と回収時に記帳されていれば問題ありません。
どちらのやり方にするかは会社によって異なるので、しっかりと確認しましょう。
どちらの場合でも、売掛帳や売上帳を使って回収の管理をすることは、ミスを防ぐためにも大切です。
まとめ
売掛金は、代金を回収するまでは利益にはなりません。
売掛金を確実に回収することは、会社にとって非常に重要です。
手間がかかりますが、管理を怠った時の方が大変です。
売掛金が入金されないとなると、場合によっては会社の命運を左右することにもなるのです。